インとアウトの判定(2)

まったく基本的な質問ですが、インとアウトの判定についてです。
コートについたボールの軌跡でコートに入ったか入ってないかを判定するのでしょうか?軌跡の周囲が少しでもコート内にかかっていればインとなるのですか?それでは、コートにたたきつけたボールの軌跡と,軽く落ちたボールの軌跡とでは、まったく同じ所に落ちても軌跡の大きさでインとアウトの場合があることになります。これはすごく不合理だと思うのですが、このような判定をくだす方も多いので、正確にはどのように判定すべきかお聞かせください。
軌跡の中心のポイントをもって判断するのが簡単なように思いますが、サービスなどのように滑ってきてついた軌跡は、最初の着地点すなわち軌跡の一番ネットよりの端が判定の基準になるような気もします。
30年近くもテニスをしてきながら今更誰に聞けるわけでもなく、聞いても完璧な回答を示してくれる方も知り合いにはいないので(意見がバラバラ)是非助けると思って正解を聞かせて下さい。(00/08 kuntakinteさん)

クレー、オムニコートでOUT、INの判定の時、ボールマークがラインに半分以上掛っていないと、OUT であると、権威のある人が言ってききません。少しでもラインに、掛っていればINと思いますが。(03/04 ITさん)

A:まずラインですが、ラインはベースライン、サービスライン、サイドラインについては、ラインの外側の線のみ有効です。つまり、幅のない線では見えないので、目に見えるように幅をつけているわけです。従ってベースラインは、コートによっては、10cmまでの幅が認められています。ただし、センターラインだけは、サービスを両方から打つことから、幅についても5cmと決められています。
そこで、ボールがどのような状態がインかというと、「コートの外側の線にボールが触れたか触れないか」、ということで判定します。ボールがコートに軽く当たれば、ボールの直径よりも小さい接地面になるし、速いフラット・サービスだったら、コートを滑って長円のボール跡ができます。このようにボールがコートを滑った場合、もちろん最初にコートに接した瞬間にライン触れたかどうかで決まります。
以上がイン・アウトの事実関係ですが、実際には、判定するという技術があります。ボール・マークだけで判断することのできない(してはいけない)のが現場の状況です。判定に疑問があったとき、ボールマークを確認のため持ち出せるのは、クレーコートだけに限定されています。ハードコートは多くの場合ボールマークが付きますが、規則でボールマークは使ってはいけないことになっています。
そこで判定をどうするかというと、「着地の瞬間にボールとラインの間にスペース(余地)が見えたかどうか。」という判定をすることになります。これは、セルフジャッジの試合においてもこの判定方法を使わなければならないことになっており、「はっきりボールとラインの間のスペースが確認できなかった場合はグッドと判定しなければならない。」とあります。
お気づきのことと思いますが、この判定方法によれば、セルフジャッジにおいては、例えばサービスラインの判定では、「ボールがコートの手前に落ちてもかなりの範囲までグッドになってしまうじゃないか?」という疑問が感じられると思います。ボールとライン間のスペースは、ボールの影に隠れてかなりのアウトでも見えないじゃないか」という疑問です。
そのとおりです。そう判定しなさいというのが、イン・アウトの判定方法とされています。落ちた瞬間に自分の目に見えた「事実」に基づいてのみ判断する、ということです。「はっきり見えなかった(判定できなかった)ボールは、相手に有利に!」です。
ですから、実際の判定現場では、あとからボールマークで確認したり、高速度カメラで確認した結果と、試合中に下さなければならない判定とは、違いが残るという宿命をもつものなのです。
是非、スポーツマンシップでセルフジャッジするという気持ちの良い試合をなさって下さい。(00/08 Tenez Boyさん)

 

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