テニスルール・審判英用語集

国際審判員を目指すあなたに!

審友会

テニスのルールブック(Rules of Tennis)や競技規則(Regulations)には、テニスの世界だけに通用する、いわゆるtechnical term的な用語があります。この用語集は、はじめてITFやATP/WTAの「Rules of Tennis」や各種のregulationsを読もうという方、あるいは、審判を始めたばかりの初心者のために、少しでも参考になればと作りました。いくつもの訳がある場合には、「Rules of Tennis」や各種のregulationsで使われる訳に絞りました。また、用語の定義だけでは意味が通じないと思われる用語については簡単な解説も加えました。
用語は、アルファベット順にならんでいます。関連用語、対となっている用語は、そのすぐ後にコロン(:)をつけて関連用語とリンクさせました。

本用語集は、1995年に審友会事務局が発行した『テニス審判用語集』のうち、テニスルールおよび大会運営、審判に関する用語のみピックアップして編集したものです。国内においてJTAルールが適用される大会とは関係のない説明となっているところもありますので、予めお断りしておきます。この用語集につき、お気づきの点などありましたら、事務局までご意見をお寄せください。

 

【A】
abuse

 乱用

 

 :

Ball Abuse

 ボールの乱用(

 Code Violation

の1つ)

abusive

 ののしる

accidentally

 偶然に、故意でなく

 

 :accidental injuries(突発的なケガ)

 

 :

Medical Time-Out
account

 理由、考慮

 

 account of darkness 暗さを考慮する

 

 on account of ~のために

address

 話しかけ

 

 address a player プレーヤーに話しかける

adjoining court

 隣接のコート(=adjacent court , neighboring court)

administration

 管理、施行

 

 circuit administrator 大会ディレクター

 

 administrative 管理の

advantage game

 アドバンテージ・ゲーム

 

 延長セット方式とも呼ばれ、ゲームスコアが5-5になったときには2ゲームの差がつくまで試合を続ける

 

 :

tie-break game

 :

 pro-sets
advertise

 広告する

 

 advertisement 広告(advertising)

affirm

 肯定する

 

 affirmation of a close call きわどい判定の確認

aggravate

 さらに悪化させる

 

 aggravated behaviour 不行状

 

pre-existing

 ailment

 or condition

 

 元からあった病気(試合開始前からあった病気やケガ(直前の試合で被ったケガ、ウォームアップ中のケガなども含む))

alternate

 補欠

 

 alternate list補欠リスト

 

 :

 draw用語
applause

 拍手喝采(=applaud)

application

 申込み

 

 application form 申込書

 

 applicant 申込者

appropriate

 適当な、特定の

 

 appropriate number of balls 決められた(適当な)数のボール

assess

 (罰金などを)課す (=apply)

assign

 割り当てる、指定する

 

 assignment 割り当てられた仕事、任務

 

 assignment slip 任務表

attire

 衣服

 

 attire change 着替え

【B】
Ballmark Inspection(BMI) ボールマーク検査
クレーコートにおいて、in/outの判定についてプレーヤーから要求があったときにチェアアンパイアがコートに残っているボールマークについてあらためてin/outの判定をすること。ボールマークを見つけられなかったときは、最初の判定が有効となります。

banner スポンサーの看板や垂れ幕
試合前に、レフェリーやチェアアンパイアは、bannersの位置が正しいかどうか、曲がったり、ピンと張られているかどうか(tautness)、何かで隠れたりしていないかなどにも配慮が必要

the benefit of the doubt 疑わしい点を有利に解釈する
beverage 飲料
beyond ~の及ばない
beyond doubt 疑いの余地なく(=beyond all reasonable doubt)
beyond his control 不可抗力(=outside the control)
blister まめ(水膨れ)
bona fide 誠意をもって
brach of rule ルール違反
brow 額
brow beat (顔、ことばなどで)威嚇する
officials' buttery officialの控え室
bye draw 用語

【C】
carry 持ち物(carries)
wears or carries 着衣または持ち物
close call ラインぎりぎりのきわどいボールに対する判定
close to net ネットぎりぎり

Code Violation(Code of Conduct) 倫理規定違反
いわゆる倫理規定違反として定められているコードで以下のものがあります。
1)Unreasonable Delay(理由のない遅延)
意識してポイント間の20秒違反、チェンジオーバーの90秒違反をしたとき
不注意で20秒、90秒違反したときは、Time Violationとなります。
2)Coaching and Coaches(コーチング)
プレーヤーとコーチの間でなされる頻繁なアイコンタクトなども含む
3)Audible Obscenity(わいせつな言葉)
わいせつな言葉を誰に対して言うともなく発する場合
4)Visible Obscenity(わいせつな態度) sexual functioning
5) Abuse of Balls(Ball Abuse)(ボールの乱用)
ボールをofficial、相手プレーヤー、観客等にぶつけるなど危険な行為をした場合
怒りやフラストレーションによってボールをオーバーフェンスさせたり、ボールを蹴ったりしてプレーに支障をきたした場合にも適用されます。
怒りやフラストレーションで打ったボールが不本意にも人に当った場合にも適用
6)Abuse of Racquets(Racket) or Equipment(ラケットまたは用具の乱用)
ラケットをコートやベンチに叩きつけて壊す(ひびを入れた場合を含む)行為など
ラケットを投げつけてコート面や備品を傷つける行為
ラケットを投げつけて不本意にも人に当った場合
7)Verbal Abuse(言葉による侮辱)
official、相手プレーヤー、観客に向かって故意にあざ笑うなど、official等に対す      る直接の侮辱
8)Physical Abuse(虐待行為)
ラインアンパイアの肩を押したり、審判台をゆさぶったり、officialや相手プレーヤー観客等に対する直接行為
9)Unsportsmanlike Conduct(スポーツマンシップに反する行為)
上記に含まれないような反倫理的でスポーツマンらしくないような行為
10)Punctuality(時間厳守)
男子の試合では、10分の遅刻で罰金、15分の遅刻で罰金と失格が課される
女子の試合では、15分の遅刻で罰金と失格が課される
11)Dress and Equipment(服装と用具)
商業ロゴ、製造者ロゴは、定められた大きさ、数、指定された場所以外はだめ
男子ダブルスにおいては、両者ともほぼ同様のウエアでなければなりません
12)Leaving the Court(無断でコートを離れる)
プレーヤーは主審の許可なしにコートを離れてはいけません
13)Best Efforts(勝つための努力)
明らかに、勝とうとして試合をしていない場合
14)Failure to Complete Match(理由なく試合を終わらせない)
15)Attendance at any Post-match Media Conference(試合終了後の記者会見)
試合終了後、記者会見が予定されているのに理由なくこれに出席しない場合
16)Participation in Final Ceremonies(セレモニーへの出席)
試合終了後の表彰式などに出席しない場合に課されるペナルティー
17) Partisan Crowd(徒党を組んだ応援)
国別対抗戦などの団体戦で徒党を組んでヤジを飛ばしたりするなどの行為
:Time Violation

coin toss コイントス
試合開始前のプレマッチミーティングでサービス/レシーブまたはエンドを選択する権利をコインを投げ上げて決める(=Flip upともいいます)。
セルフジャッジの試合では、ラケットを回してトスをすることがほとんどですね。

control of match(match control) チェアアンパイアの試合中の采配
チェアアンパイアは試合をスムーズに進行するために様々なことに配慮する必要があります。たとえば、close callなどでプレーヤーがいらいらしてトラブルを起こしかねないときに、ラインアンパイアの配置を変えたり、然るべきタイミングでCode Violationをとり、より大きなトラブルを未然に防いだりします。チェアアンパイアのこのような采配(match control)で試合は進みます。

cramp けいれん、こむら返り、ひきつり
: Medical Time-Out
crew 審判員のチーム
ラインアンパイアのcrewなどをいいますが、時としてチェアアンパイアも含むチームも指します。
cross line  横ライン(ベースラインなど)
:long line  縦ライン(サイドラインなど)
cross strings  横のストリングス
:main strings  縦のストリングス
crossed strings ストリングスの交差
dampening device(振動吸収治具)を取付ける位置は、crossed stringsの外でなければいけません
crowd 観客 (=spectators)
crowd control 観客がプレーを妨害するような行為をする恐れがあるときに、それを制止するなどの措置をチェアアンパイアが講じることをいいます。

【D】
dampening device ラケットにつける振動吸収用の治具
default  試合開始後の選手の不始末(Code of Conduct違反など)による失格
deposit 保証金
練習用ボール(practice ball)を貸し出す際にdepositとして一定の金額以上をプレーヤーまたはコーチから預かることがあります。
deterioration 悪化
gradual deterioration 徐々に悪化
ケガが徐々に悪化したような場合には、Medical Time-Outは認められません。
diagnose 診断する
diagnosis 診断
Direct Acceptance 試合の本戦に予選を経ないで受け入れられること
: draw 用語
distinguish 区別する
accidental injuries(突発的なケガ) と Natural loss of Physical Condition(体力消耗)は区別しなければなりません。
downwards 下へ
palms downwards (good signalは)手の平を下にして
dragged or watered (BMIにおいて)ボールマークがはっきりしているかどうか

draw  試合の組み合わせ表
draw 用語
alternate 補欠
予選のない大会では、エントリーしたプレーヤーのランキング順にalternate listが作成されます。
bye バイ
参加者数が2の累乗でないときは、1回戦で対戦相手のないプレーヤーが生じ、これをbyeといい、seed順位の上位者から優先してdraw中に配置されます。
Direct Acceptance(DA) ダイレクトアクセプタンス
最新ランキングにより予選を経ないで直接、本戦drawに受け入れられるプレーヤー
Lucky Loser(LL) ラッキールーザー
本戦drawに欠員が生じた場合、予選決勝の敗者がLucky Loserとして本戦draw に受け入れられます
Qualifier(Q) 予選から勝ち上がって本戦drawに入るプレーヤー
Seed シード
トーナメントのdraw 数によりseed 数も決められ、seed 順位は、最新のランキングに基づいて決定されます。No.1およびNo.2 以外のseed は、抽選でdraw の所定の位置に配置されます。
Special Exempt(SE) 前週のトーナメントが延びてプレー中のため予戦に参加できないプレーヤーがdraw 作成前にトーナメントディレクターに届け出た場合には、Special Exemptとして受け入れるかどうか決定されます。
Wild Card(WC) ワイルドカード
トーナメント委員会やレフェリーの裁量により、本戦drawに入るプレーヤー

dress code 服装の規制
ウエア等には製造者ロゴ、商業ロゴ等、規定された数、大きさのものを使用することとなっています。(=dress provisions)
deputy referee
レフェリーが不在のときに、レフェリーの任務を代行するアシスタントレフェリーです。USTAの国内大会で採用されています(「Friend at Court」より)

【E】
erroneous call まちがったコール
even number 偶数
:odd number 奇数
eye contact(=eye communication)
主として、チェアアンパイアとラインアンパイア間で行なわれる、いわゆる目配せ。
試合中には、official同士が声を出して指示できないので、大切な相互コミュニケーションの手段となります。

【F】
femininity 女らしさ
feminine gender 女性
:masculine gender 男性
field referee  フィールドレフェリー
日本のアシスタントレフェリー、チーフオブアンパイア、コートレフェリーを兼ねたような仕事をします。プレーヤーや審判員に対し、試合方法、ボールチェンジ、ウォームアップ時間、休憩時間などを伝えたり、審判員の指導や評価をします。また、コートを見回って規則違反がないかもチェックします。(「Friend at Court」より)
: roving umpire
fine  罰金  プロプレーヤーには、種々の違反行為に対して課されます。
flagrant 極悪の
severe and flagrant misconduct 重大かつ悪質な行為  悪質な場合には、通常のポイント・ペナルティー・スケジュールを適用せずに、即、失格にすることもあります(immediate default)。

Followed by
Order of Play(試合進行表)において、そのコートの次の試合が、現在行なわれている試合終了後、直ちに開始されることを指します。したがって、time called は、試合終了時点ということになり、次の試合の遅刻等の時間はここから計り始めることになります。
:N.B.(Not Before)
:T.B.A.(To Be Arranged/Advised)

in forecourt ネット際

【G】
glance ちらっと見る
glare にらみつける
granular surfaces アンツーカーコート
grunt 不平の声、ぶーぶーいう(声)

【H】
hand signal ハンドシグナル
アナウンスまたはコールを補充するために、チェアアンパイアはプレーヤーに対して、ラインアンパイアはチェアアンパイアに対して行ないます。ラインアンパイアは、プレーヤーや観客に対するサインとして行なうのではありません。
hospitality 待遇

【I】
imaginary continuation 仮想延長線(=imaginary extension)
immediately 直ちに(=promptly)
inadequate 不適当な、不十分な
inadequate light (室内などの)照明が暗いこと
inflection 抑揚
proper inflection in calling the score 適当な抑揚をつけてスコアをアナウンスする
injection or oxygen 注射あるいは酸素吸入
: Medical Time-Out
injurious 有害な、(行為が)不当な、侮辱的な

Injury(Injury Time-Out)
プレー中に発生したケガに対し、3分間の治療ができます。チェアアンパイアが確認できる事故(accidentally)によるケガでなければInjury Time-Outを要求できません。
ATPでは1997年から、ITF/WTAでは1998年からaccidentallyなケガ(injury)だけでなく、けいれん(cramps)も含み、治療できることとなったため、 Medical Time-Outと呼ばれることになりました。
但し、国内でJTAルールが適用される大会では、大会専属のトレーナーがいないこともあり、「けいれん」を治療対象にしていません(「けいれん」かどうか判断できる者がいない)ので、従来どおり「Injury Time-Out」と呼ばれています。

install singles sticks シングルススティックを取付ける
intentionally 故意に
ITF(International Tennis Federation) 国際テニス連盟
:ATP(Association of Tennis Professional) 男子プロテニス協会
:WTA(the Women's Tour players' Association) 女子プロ選手協会
:ATF(Asian Tennis Federation) アジアテニス連盟

【J】
jurisdiction 権限、管轄範囲
justify 正当化する、正当であることを示す

【K】
keen 鋭い、熱心な

【L】
laid-down 決定する
lean 寄りかかる
lean forward 前傾
logo mark ウエアやバッグなどに表示されている商標(マーク)
:commercial logo 商業上のマーク
:manufacture's logo 製造業者のマーク
Lucky Loser ラッキールーザー
本戦drawに欠員が生じたとき、予選最終ラウンドの敗者(さらに必要なときは、その一つ前の敗者)がLucky Loserとして本戦drawに入る。
: draw 用語

【M】
main draw 本戦ドロー
:qualify(qualifying) 予選
main strings  縦のストリングス
:cross strings  横のストリングス
masculine gender 男性
:feminine gender 女性
match calling 試合開始のアナウンス
medical excuse けがや病気などを理由にした参加取り消し
medical supply 医薬品
Medical Time-Out  メディカル・タイムアウト
Medical Time-Outは、トレーナーまたは医師が到着して治療(treatment)を始めたときに開始されます。治療前の診察(medical diagnosis(evaluation))は、 Medical Time-Outの時間にカウントされません。
試合前から負傷していたケガの治療のために Medical Time-Outは要求できません。
warm up中のケガも同様に試合前のケガとして扱われます。
チェアンパイアの許可があればchange overの時間内に治療することも可能です。
:Injury

治療が可能なMedical Treatmentと、治療できないNon-Treatable Medical Conditionsに分類されています。
Medical Treatment(Medical Time-Outが要求できる)
a)Musculoskeletal(Neuromuscular) Injuries 筋肉系の傷害
Muscle Strains けいれん(=Cramps)
Cartilage Tears 軟骨裂傷
Breaks/Fractures 骨折、アキレス腱切断など
Inert Structure Damage
Disc Lesions 椎間板ヘルニア
Sprain 捻挫
b)Neurological(Neuroskeletal) Injuries 神経系の傷害
Nerve Impingement 神経障害
Sensory Deprivation 知覚喪失
Head Injuries
Impaired Consciousness 意識障害
c)Integument Injuries 外傷
Cuts きり傷
Abrasions すり傷
Blisters(bleeding or not) 水膨れ(まめ) 出血しているか否かにかかわらない
Insect Bites 虫さされ
Facial Damage 顔面傷害
Contusions 打ち傷

Non-Treatable Medical Conditions(Medical Time-Outが要求できない)
All illnesses 病気
Medical conditions 体調不良
Natural loss of physical condition 体力消耗
Fatigue 疲労
Heat exhaustion 発熱

moving 7人制以下の態勢で行われるラインアンパイア(縦ラインアンパイア)の動き

【N】
natural loss 消耗
accidental injuriesはMedical Time-Outの対象となります。Natural loss of Physical Condition(体力消耗)の場合は、Medical Time-Outを要求できません。

N.B.(Not Before)
 Order of Play で、そのコートの次の試合は、指定された時間までに試合を開始できるよう準備するか、指定時間以降、指示があったら直ちに試合が開始できる状態に準備することをいいます。「N.B. 13:00」などとOrder of Playに記入されます。
: Followed by
: T.B.A.(To Be Arranged/Advised)

nod うなずく
No Show  試合開始時刻になっても相手が現われず、試合ができない状態。
: Walk Over

【O】
obscene わいせつな
obscenity わいせつ
: Code Violation
odd number 奇数
:even number 偶数
offense 違反
on-site offenses トーナメントにおける違反
コート上での違反だけでなく、トーナメント側が準備したホテル、送迎バス、すべてのトーナメント施設での違反が対象になります。
offender 違反者
patently offensive 明らかに不快な
official(s) 大会に関与する役員一般、主として審判員を指すこともあります
official bulletin board 公式掲示板
Order of Play、プレーヤーへの告知事項などは、この掲示板に貼りだされます
official clock 公式時計
Order of Playなど、大会における時間はこの時計を基準に進められます
oncoming 近接
onset 開始
in order 順序よく
out of order 規則に反して

Order of Play 大会における試合順序(試合進行表)
Order of Playに使われる用語には、以下のものがあります。
Followed by
Order of Play(試合進行表)において、そのコートの次の試合が、現在行なわれている試合終了後、直ちに開始されることを指します。したがって、time calledは、試合終了時点ということになり、次の試合の遅刻等の時間はここから計り始めることになります。
N.B.(Not Before)
Order of Playで、そのコートの次の試合は、指定された時間までに試合を開始できるよう準備するか、指定時間以降、指示があったら直ちに試合が開始できる状態に準備することをいいます。「N.B. 13:00」などとOrder of Playに記入される。
T.B.A(To Be Arranged/Advised)
次の試合はAまたはBのどちらか早く終了したコートで行なうとか、A,Bとも終了したら行なうなど、試合開始が条件付きの場合

overrule オーバールール
ラインアンパイアの判定が、明らかな間違いとはっきりしたとき(clear mistake)、直ちに(promptly)チェアアンパイアがその判定を訂正すること。
JTAルールにおけるソロチェアアンパイア(SCU)制度のもとでは、プレーヤーもin/outの判定を行なうため、SCUがプレーヤーの明らかな間違いをオーバールールします。
ITFやATP/WTAなどの試合におけるSCU(ラインアンパイアがつかない場合でも)は、すべてのラインジャッジを一人で行ないます。プレーヤーがin/outの判定を行なうことはありません。また、隣接コートなどからのボールの侵入に対してもプレーヤーは”レット”をかけることができません。

【P】
palm 手の平
:back(s) of hand(s) 手の甲
Partisan Crowd Rule 徒党を組んで応援したりした場合に課されるペナルティー
アナウンス例としては、“Code Violation , Partisan Crowd ,Warning ,______(Nation)”
permanent fixtures 固定物および固定物と見做されるもの
Net , Posts , Singles Sticks , Cord or Metal Cable , Strap , Band , Back and Side Stops , the Stands , fixed or movable Seats and Chairs , Umpire , Line-umpire , Ball-person etc
physical condition 体調
natural loss of Physical Condition 体力の消耗
physician ドクター
qualified physician 大会で認定されているドクター
in play  有効なプレーが続いている状態
:out of play  ポイントの終了

Point Penalty Schedule ペナルティーを課す順序。
“Time Violation”では、1回目:「Warning」(警告)、2回目以降:「Point」(失点)
“Code Violation”では、1回目:「Warning」、2回目:「Point」、3回目 :「Game」、4回目:「Default」(失格)
1999年までは、 Warning-Point-Defaultでした。

Point Penalty System(PPS)
Code Violationおよび Time Violationなどのペナルティーの基準(ATP,WTAなどの大会では罰金も併課されます)。
practice court 練習用コート
preceding week's 前の週
pre-match meeting プレマッチ・ミーティング
試合直前にプレーヤーとの間で行なうmeeting。プレーヤーの確認、試合形式、ボールチェンジなどを伝え、トスをしてサービス/レシーブ/エンドを決めます。手短に行なうことが要求されます。
well-projected voice よく通る声

pro-sets プロセット
試合を短縮するために、3セットマッチの代わりに採用された試合方式。初期のプロのツアーで最初に採用されたのでこの名があります。8games pro-setsと10games pro-setsがあります。8games pro-setsの場合、ゲームスコアが7-7になったら、さらに2ゲームプレーし、9-7となったらセット終了。もし、8-8となったら、次のゲームは12ポイント・タイブレークまたは9ポイント・タイブレークで行ない、タイブレーク・ゲームを制したプレーヤーがそのセットの勝者となります。スコアは9-8(2)などと記録します(( )内の数字は、タイブレーク・ゲームの敗者のスコア)。
:tie-break game

provisional umpire 臨時の審判員
punctual 時間を厳守する
punctuality 時間厳守(Code Violation)

【Q】
Qualify 予選(=qualifying competition)
Qualifier 予選から勝ち上がって本戦に入るプレーヤー
: Draw 用語
Question of fact 事実問題
ボールのin/outなどの事実問題に関すラインアンパイアまたはチェアアンパイアの判定は最終であり、レフェリーでも覆すことができません。(デビスカップなどの団体戦においては例外あり)
Question of Tennis Law 法的解釈
法的解釈に関するチェアアンパイアの判定に不服があるプレーヤーは、それをレフェリーに提訴でき、そのレフェリーの判断は最終となります。

【R】
reasonable (extra) time
男子の試合では、toilet break , changing wet shoes/socksは、妥当な時間(reasonable time)だけ認められます。
reflect return 反射的な返球
サーブされたボールを返球したときは、レシーブ態勢ができていなかったことを理由にレットを主張できませんが、チェアアンパイアがreflect returnであったと認めたときはレットとなります。
resume 再開する、回復する
resumption 再開
retaliatory call 報復的コール
retire 試合中にケガや病気で試合を放棄すること
ringer 替え玉
role 役割

roving umpire ロービング・アンパイア
セルフジャッジの試合で、指定されたコート周辺を移動してプレーヤーの規則違反、トラブルへの対応などを任務とします。
日本のセルフジャッジの試合において従来、「コートレフェリー」と呼んでいたものに相当します。2000年以降、JTAの大会でも「ロービング・アンパイア」と呼ぶことになりました。
試合前に、シングルススティックを立てたり、ネットの高さを測ったり、ウォームアップ時間をチェックしたり、フットフォールトをコールします。プレーヤーのin/outに対するオーバールール、ポイントペナルティシステムの適用なども行ないます。
: field referee

revoke 取り消す(=cancel)

【S】
sake of convenience 便宜上(=for convenience Sake)
seed シード  draw用語
sell the call 自信を持ってコールすること
set forth 示す
hereinafter set forth 以下に示す
sign-in サインイン
試合に出場するプレーヤーは、定められた時刻までにエントリー(sign-in)しないと出場権を失い、プレーできません。
Special Exempt draw 用語
spectators 観客(=crowd)
spit (つばを)吐く
spit at(on) ~につばを吐きかける、侮辱する
sprain 捻挫
stagger 互い違いに配列する(ラインアンパイアのクルーのコート割など)
stand(s) 有効
toss stands トスの権利が生きていること
point stands ポイントが有効であること
stating the score スコアが定まる
subsequent その次の、それに続く
:previous その前の
subside 静まる
applause is subsiding 拍手が静まる(なり止む)
supervise 監督する、指揮する
supervision 監督
supervision over all aspects of play プレーの状態をすみずみまでチェックする
supervisor スーパーバイザー(大会の総指揮者)
suspension (雨などによる)試合の中断

【T】
T.B.A(To Be Arranged/Advised)
Order of playで次の試合はAまたはBのどちらか早く終了したコートで行なうとか、A,Bとも終了したら行なうなど、試合開始が条件付きの場合
: Followed by
:N.B.(Not Before)

through the match ラインアンパイアなどが1試合ずっと任務につくこと

tie-break game タイブレーク・ゲーム
ゲームスコアが6-6になったときに(8games pro-setsの場合には8-8になったときに)、12point Tie-breakのときには7point先に取ったほうが、そのセットの勝者となるスコアリングシステム。6point allになったときは、2pointの差がつくまで行ないます。
: advantage game
: pro-sets

on time 時間どおりに
timepiece 時計
Time Violation  タイムバイオレーション
うっかりしていて(過失)でポイント間の20秒、エンドチェンジ間の90秒違反をした場合のペナルティー
:Code Violation
toilet break(toilet emergency) トイレット・ブレーク
トイレや着替えのための中断(ITF/ATPの男子の試合ではreasonable timeが許される)。
JTAルールが適用される国内大会では、5分間とされています。
toss トス
コイントスに勝ったプレーヤーは、次のいずれかの権利を得ます。
サービスまたはレシーブの選択権/エンドの選択権/相手に選択させる
tracking ボールを目で追いかける行為
ラインジャッジをするラインアンパイアは、trackingしてジャッジしてはいけません。
track the ball ボールの軌跡
out of turn 順番を間違う

【U】
un-sighted signal アンサイト・シグナル
ボールがプレーヤーに隠れてin/outの判定ができなかったときは、直ちにチェアアンパイアにこのサイン(両手で頬を隠すようなハンドシグナル)を送る

【V】
vacancy 欠員
vacate 取り消す、無効にする
valid 有効な
valid call 有効なコール
vertigo めまい・・・natural lossに該当する
voluntarily 故意に

【W】
Walk Over
相手が現われずNo Showとなった場合、および相手が何らかの理由で失格した場合で、ラッキールーザーによって補充もされなかった場合にWalk Overとなる(試合開始前の取り扱い)
: No Show

wear すりへる
a used ball of like wear ロストボールの場合は、同程度にすりへったボールを補充する。
Wild Card ワイルドカード
: draw 用語
withdrawal 取り消し
一定時期以降の試合の取り消し(late withdrawal)は、ペナルティーの対象となります。
witness 目撃する、証人
witness the draws draw 作成には、2人以上のプレーヤーが証人として立ち会うことを求められることもあります。

 

日本テニス協会発行のルールブック「コートの友」しか読んだことがないあなたには、ITFやATPその他のregulationなどを読むと「へぇー、こんなこともあるのか」というような意外な発見がきっとあるはずです。1ページずつ少しでも構いません。また、最初から最後まで読破しようどとは考えないで、関心のあるところから読んでみるのもよいでしょう。そんなとき、この用語集が役にたてば幸いです。

この用語集は、未完です。完璧なものは当分できそうにありませんので、とりあえず、この段階で発行することにしました。ここに挙げた用語以外でテニスルール、審判に関する用語としてとり上げたほうがよいと思われるものや訂正したほうがよいと思われる用語がありましたら審友会事務局(smile_on_the_chair@yahoo.co.jp)までご連絡ください。この用語集を完成させるのは、あなたです。

「発音記号が書き込めるようなスペースがあったほうが便利」という提案もありました。次回、改訂時には、と思っています。どなたか改訂作業をお手伝いしていただければ幸いです。

 

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